おばあちゃんの仏壇

おばあちゃんの仏壇

実家には仏壇があります。

 

小さいころから、毎朝おばあちゃんが、
ご先祖様とおじいちゃんにお茶とご飯をお供えしているのを見ていました。

 

お盆やお彼岸になると、ちゃんとお供えもして
ご先祖様をお迎えしたり、おじいちゃんに日ごろの報告をしたりして、
年中行事を当たり前のように一緒に行っていました。

 

日ごろ買い物などめったにしない倹約化のおばあちゃんが、
ある日突然、仏壇を買い換えました。

 

家族には何も相談がなかったので、父は怒って返品するようにと
いいましたが、おばあちゃんは断固として仏壇を手放しませんでした。

 

今までの仏壇よりも、だいぶ大きなものを買ったので、
子供心にも、いったいいくらしたのだろうと思いました。

 

おばあちゃんは、なによりも、仏壇を大切に大切にしていました。
おばあちゃんの部屋にあるのは、仏壇と鏡台と箪笥だけでした。

 

数年たって、おばあちゃんも他界していきました。

 

仏壇には、新しくおばあちゃんも仲間入りしましたが、
毎朝お茶と、ご飯をお供えする人はもういません。

 

しかし、今度は父が仏壇の掃除やお線香をたいたりと、
何かと仏壇の整頓をするようになりました。

 

あんなに反対して起こっていた父でしたが、
まるで、おばあちゃんはこうなることが分っていたかのように大切にするようになりました。